飲みたおし東北2・遠野編(とおの屋 要)

去年初めてのんで印象的だったどぶろくを作っている方が、ひとりでやっているオーベルジュ。
あら、すてき。
和室・洋室各1に、檜のお風呂・洗面は共同、トイレがふたつ。
洗面所。アメニティはAVEDA。基礎化粧品、シャンプー類持って行かなくて大丈夫。歯ブラシもあり。
使い込まれた感じのいい作家ものの家具。
洗面所のハラーシステムから、選べる浴衣に着替えて。

ワインもどぶろくも飲みたいとお願いしたら、ペアリングで出してくださることに。 コクと厚みのある、ピエモンテのエツィオ・チェルッティーのリ・フォル(スパークリングワイン)でまずは乾杯。
はじめのお皿。19ヶ月熟成の自家製生ハム、羊のサラミ、温かいお豆。
じゃがいもそっくりのマッシュポテト(お味噌?奥深い味つけ)の中に自家製クリームチーズがっっっ


三陸の海藻、まつもの酢の物。しゃきしゃき食感にまろやかな酢加減。
温かい牡蠣出汁の葛きり。

大根葉炒め、佃煮、干し大根入りのどぶろく粕汁のようなもの。深いうまみ。
自家製どぶろく! 無農薬で栽培する「遠野1号」で醸されています。
関西のものとはまた違う、若々しい軽やかな熟れ鮨。
どぶろくは仕込み違いで、どろりと重めでキレがあるもの、ムースのように軽やかなもの。甘ったるさは皆無でシュッとしています。 初めてのんだときの衝撃ときたら、これなら和のつまみだけじゃなくて洋モノやエスニックにも合う!と。 現地でいただくと一層すばらしい。 只今発酵中のフレッシュ感。
鶏肉をどぶろくや醤油でじっくり漬け込んだ焼き物。柚子の風味も。
肉料理に合わせて、ボジョレーのユンヌ・トランシュ。尖ったところのないやわらかい赤。
鹿肉の麻婆豆腐に米で漬けた大根の白キムチ。なんて清らかな麻婆なんだ…。

グリル白菜にウサギのラグー。
からすみ茶漬け。これまた出汁が香り高く清らか。どぶろくと交互に。
デザート、ボケていますが。ねっとりした自家製生麩を香ばしく焼き、クルミと砂糖を振ったもの。
ピエモンテ、トリンケーロのビアンコが柚子香る生麩にぴったり。 
お薄でしめ。

醤油の上澄みで味つけされた沢煮椀のようなお清し。
大満足。 
出発まで、リビングでゆっくり。
料理とお酒のすばらしさはもちろん、 インテリア、料理の器などすべてにセンスが行き届いていて、 一朝一夕に揃えられるものでもないよなー と、店主の佐々木要太郎さんにインタビュー。 インテリアデザイナーになりたかったので、若い頃からコツコツと家具調度品を集めてきたこと。 スペインの有名レストランで自家製どぶろくが採用され、はるばる行って食べてみたけれど、その料理はしっくりこなかったこと。 大地から生えてくるような、自然で豊かな料理を提供していきたいと思っていること。 

これはダイニングにあるトイレの一角と照明。
どぶろくもこのお宿も、たゆまない積み重ねが形になったものなんだなあ。まことに背筋ののびるようなお宿でした。 今回伺えて本当によかった。
カテゴライズできない独特の料理と酒・・・
玄関を入って左が食堂、右が居室棟。

和室・洋室各1に、檜のお風呂・洗面は共同、トイレがふたつ。


2階リビングはダイニングから吹き抜けになっていて、心地いい音楽が流れています。
毎時間、壁の時計がボーンボーンと鳴るのです。
1日1組限定のお宿なので、ここ全部貸し切りの贅沢。晩ごはんも好きな時間から。
お待ちかねの晩ごはん。うしし。





しいたけの卵とじにパン粉をつけて揚げ、あんかけに。














ワインはハーフでもOKなので、それぞれのペースでよく飲み、よく食べました。
きっとすぐ寝たんだな。
遠野1号のお粥、自家製もろみと叩き梅。
もろみがおいしすぎてお粥が進み、おかわり。




どぶろくもこのお宿も、たゆまない積み重ねが形になったものなんだなあ。