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飲みたおし東北2・遠野編(とおの屋 要)

Bysnuko

今回の旅のデスティネーション「とおの屋 要(よう)」
去年初めてのんで印象的だったどぶろくを作っている方が、ひとりでやっているオーベルジュ。
カテゴライズできない独特の料理と酒・・・
という評判だったので、あえて前情報は集めずにここまで。庵といいたい風情のエントランス。

玄関を入って左が食堂、右が居室棟。
あら、すてき。
和室・洋室各1に、檜のお風呂・洗面は共同、トイレがふたつ。
洗面所。アメニティはAVEDA。基礎化粧品、シャンプー類持って行かなくて大丈夫。歯ブラシもあり。
使い込まれた感じのいい作家ものの家具。
オーディオはB&O。
建物は築120年以上にもなる南部建築の米蔵を移築したもの。
2階リビングはダイニングから吹き抜けになっていて、心地いい音楽が流れています。

毎時間、壁の時計がボーンボーンと鳴るのです。
1日1組限定のお宿なので、ここ全部貸し切りの贅沢。晩ごはんも好きな時間から。

各自お風呂に入ったり、仕事を片付けたりの後、
お待ちかねの晩ごはん。うしし。
洗面所のハラーシステムから、選べる浴衣に着替えて。


ワインもどぶろくも飲みたいとお願いしたら、ペアリングで出してくださることに。
コクと厚みのある、ピエモンテのエツィオ・チェルッティーのリ・フォル(スパークリングワイン)でまずは乾杯。
はじめのお皿。19ヶ月熟成の自家製生ハム、羊のサラミ、温かいお豆。じゃがいもそっくりのマッシュポテト(お味噌?奥深い味つけ)の中に自家製クリームチーズがっっっ
しいたけの卵とじにパン粉をつけて揚げ、あんかけに。
しいたけの香りと味の濃さ。フリウリの濃いめ白。ラ・カステッラーダのビアンコ。は〜うま。香ばし焼きカブに、牡蠣そぼろと名物三升漬け。
三陸の海藻、まつもの酢の物。しゃきしゃき食感にまろやかな酢加減。
温かい牡蠣出汁の葛きり。
大根葉炒め、佃煮、干し大根入りのどぶろく粕汁のようなもの。深いうまみ。
自家製どぶろく! 無農薬で栽培する「遠野1号」で醸されています。
関西のものとはまた違う、若々しい軽やかな熟れ鮨。どぶろくは仕込み違いで、どろりと重めでキレがあるもの、ムースのように軽やかなもの。
甘ったるさは皆無でシュッとしています。
初めてのんだときの衝撃ときたら、これなら和のつまみだけじゃなくて洋モノやエスニックにも合う!と。
現地でいただくと一層すばらしい。 只今発酵中のフレッシュ感。

鶏肉をどぶろくや醤油でじっくり漬け込んだ焼き物。柚子の風味も。
肉料理に合わせて、ボジョレーのユンヌ・トランシュ。尖ったところのないやわらかい赤。鹿肉の麻婆豆腐に米で漬けた大根の白キムチ。なんて清らかな麻婆なんだ…。

グリル白菜にウサギのラグー。
からすみ茶漬け。これまた出汁が香り高く清らか。どぶろくと交互に。
デザート、ボケていますが。ねっとりした自家製生麩を香ばしく焼き、クルミと砂糖を振ったもの。
ピエモンテ、トリンケーロのビアンコが柚子香る生麩にぴったり。
お薄でしめ。
ワインはハーフでもOKなので、それぞれのペースでよく飲み、よく食べました。

食後はリビングで翌日の作戦会議…? ぜんぜん覚えておりません。
きっとすぐ寝たんだな。

小雪舞う朝。すでにお腹がすいてます。発酵パワーすごい。ほどよく脂ののったぼらの漬け焼き、蕪っ葉炒め、大根のだし煮。
遠野1号のお粥、自家製もろみと叩き梅。
もろみがおいしすぎてお粥が進み、おかわり。

醤油の上澄みで味つけされた沢煮椀のようなお清し。

大満足。
出発まで、リビングでゆっくり。

料理とお酒のすばらしさはもちろん、
インテリア、料理の器などすべてにセンスが行き届いていて、
一朝一夕に揃えられるものでもないよなー と、店主の佐々木要太郎さんにインタビュー。
インテリアデザイナーになりたかったので、若い頃からコツコツと家具調度品を集めてきたこと。
スペインの有名レストランで自家製どぶろくが採用され、はるばる行って食べてみたけれど、その料理はしっくりこなかったこと。
大地から生えてくるような、自然で豊かな料理を提供していきたいと思っていること。
これはダイニングにあるトイレの一角と照明。

どぶろくもこのお宿も、たゆまない積み重ねが形になったものなんだなあ。
まことに背筋ののびるようなお宿でした。
今回伺えて本当によかった。

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