JR新幹線車内誌「トランヴェール」でフジツボ食べてます&伊豆旅のこぼれ話
「食べる旅」がにわかにライフワークになりつつあります。
実は、もともと出不精で旅行経験も少なく、友だちが誘ってくれてやっと重い腰をあげるという感じの私でした。
もちろん行ったら楽しいので、そんな数少ない旅がひときわ強烈な印象をもって心に刻まれ、近年では自分から目的地を決めて出かけるようにもなりました。
このブログでも、旅の記録は(途中で終わっているものもありますが汗)備忘録としても続けていきたいと思っています。
そんな旅への姿勢を見てくださったのか・・・
JR東日本の新幹線車内誌『トランヴェール』から、伊豆の食材を取材して料理してくださいというお話をいただき、この4月号で10ページ大特集として掲載されました。
近場でおなじみなはずの伊豆で、初めての食材にであった驚きと喜びがぎゅっと凝縮した記事になっています。
4月いっぱい(GWにもかかりますね)北海道・東北・山形・秋田・上越・北陸新幹線に搭載されますので、出張帰省旅行の際に入手してご一読ください!
↓ここからは旅のこぼれ話になります
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初回の取材は三島にて。スタッフとは現地集合、晩ごはんを食べながら顔合わせ。
伊豆ジビエ食べましょかという話になるもお店が取れず、通りかかった「金精」へ飛び込み入店。
もう、嬉しくなるほどディープな炭焼きホルモン屋さん。
地元の、肉体労働後らしき皆さんがわいわい飲んでおり完全にアウェーな雰囲気ながら、
こんなセンマイ初めて見た。青じそが効いててうまいっ。
翌日は山へ。
あまごは、もともと体が小さいうえストレスに弱いので、大きく育てあげるのは至難の技。「割に合わないんで誰もやらないんですよ、私は物好きでね」と笑う下山さん、カッコいい!
わさびは、たくさん育っている中から特に香りがよく程よい辛さの株の種を丁寧に採り、翌年はその苗を中心に育てていくことで「下山好み」のわさびの味を極めているのだとか。
下山さん愛用のわさびおろし金「サメ吉」。帰ってすぐにポチりました。
アイディアマンの下山さん、あまごとわさびのお店も経営。
摘みたて葉わさびの天ぷら、サクサクで素敵な香り。
あまご丼。サツキマスとも呼ばれるあまごは、あっさりした脂ののった上品なサーモンのよう。とろけるほどやわらかな身に甘い脂、黄金のイクラ。
「ちょっと、伊豆豊かすぎる!うまい!!」と早くも興奮気味の一行。
鹿は赤身でどこの部位も肉質に差がない、猪は脂が命なので皮を剥ぐのは熟練の技を要するなどなど、大好きなジビエについても知らなかったことばかり。
続いてイズシカ問屋のお肉を扱っている地元スーパー「大地讃頌」へ。大きなお店じゃないのに充実の品揃え!
カラフルなおしゃれ野菜がたくさん、柑橘のいきいきしていること。POPも親切!
コンビーフも買えばよかった。
帰宅して、伊豆のおいしいものを最大限生かすレシピって・・・とあれこれ試作。
そして週末。大筋がかたまったレシピを手に下田へ。あとは海で何が採れるか!?
伺ったのは須崎の民宿ぜいもやさん。
代々漁師のお父さんが、今回の磯ハンティングを指南してくれるのです。
お父さんに教わって、ヘラで海苔をこそげます。
フジツボ、カメノテや三葉虫のようなヒザラガイ、ニシ、マツバガイ。聞いたことも見たこともなかった貝類も。
最初は岩しか見えないのに、だんだん目が慣れると貝を見つけ出せるようになる面白さ。
大人気の民宿、お料理に精通している女将の伊豆美さんに下ごしらえ方などを伺いながらせっせと作ります。楽しい!!
さっき採った磯の仲間をグツグツ。味見をしたら、濃厚な旨みにびっくり。
かんせーい!ホッ。ぜいもやの田中さんご夫妻、ライターの山口さん、カメラマンのキッチンミノルさん、JRの佐藤さん。撮影は編集の籔下さん。早朝からみなさま、お疲れ様でした!
作ったのは6品。
イズシカ問屋の猪の脂とひじきを炒めたシシヒジキ。
葉わさびと紅芯大根の和風ピクルス。
ヒザラガイとトコブシの中華山椒煮。
磯の仲間のココナツスープ。
レシピはぜひ、本誌をみてください(5月になるとJRのサイトで見られるようになるはずなので、また追記します)
ぜいもやさん2階の広間の卓を囲んで、地酒「身上起」を飲みながら小宴会。
娘さんが川崎住まいで、東京のおいしいものもよくご存じの伊豆美さん、
お父さんが彼女のために好物のニシ貝を山盛り採ってきてくれるお話が素敵だったなぁ。
それが、驚くべき美味で、病みつきになりそう。
やわらかくプリッとしていて、甲殻類の旨みがぎゅっと凝縮しているような。お酒いくらでも飲めます・・・!
嗚呼、海も山も豊かな伊豆がすでに恋しい。
またすぐ行きたい(食べたい)伊豆取材でした(旅+食のお仕事依頼、いつでもお待ちしてます)